本棚がいっぱいになってきたので今日の午前中はいらない本をピックアップしていた。
ページに挟まれている付箋はすっかりとはずして棚から引き抜いた。むかし「愛の言葉」みたいな本を買った時、気に入った箇所にペンで赤線を引きまくったことがある。それから10数年後の邂逅時にひどく恥ずかしい気持ちになって以来の付箋派なのだ。
午後はふとんに寝転がり畳に積み上げられた本を拾い読みして過ごした。
まるでむかしの歌を聴いてるみたいだなと感じながら、なつかしいフレーズに出会うたびそれを読んでいた頃の自分をぼんやりと思い出していた。
いつのまにか薄暗くなり、少しだけ冷たい風が部屋を通り抜けた。
小便をしようとふとんから起き上がると、本棚にはやがていらなくなるまで読まれることのない本が残されていた。
本日をもって夏を終了いたします。店主敬白